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過失責任の原則
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 それでは、民法三大原則のうちの「過失責任の原則」について見ていこう。

 「過失責任の原則」とは、
   例えば、ひよこ君が誰かに危害を与えた場合に、
   その損害発生についてひよこ君に故意又は過失があった場合のみ
   損害賠償(解かりやすく表現すると弁償)等の責任を負えばよいという原則だよ。

 この場合も"原則"とあるからには"例外"もあるんだよね。
   でも、過失がなくても責任を負う場合ってあるの?
 
 うん。
   過失がなくても責任を負う場合、つまり無過失である場合にも責任を負う場合があるよ。
 
 そもそも、無過失による損害って、どうな損害なの?

 そうだね。
   例えば、地震、雷、山火事、津波などの天変地異・天災等、「不可抗力」と呼ばれる類で生じる損害だね
 
   どの様な場合に、不可抗力による損害の責任を負うかについては、
   事例を挙げて説明するね。
 
   例えば、ひよこ君がお金を一時的に他の人から借りるために、
   担保としてひよこ君の所有する時計をその貸主に引き渡す、
   いわゆる質権設定契約の場合において見受けられるよ。

 ちなみに質権設定契約っていうのは、
   物つまり、ひよこ君の時計を貸主に引き渡す事によって成立するんだ。
   
   そして、もし、その貸主が更に第三者からお金を借りるため質権契約をしようとする時、
   ひよこ君の時計を更に担保に入れることも可能なんだ。
 
 えー。勝手に僕の時計を担保に入れるなんて・・・。
   壊れたらどうすんの?

 その点については大丈夫だよ。
   
   この転質設定契約(※1)がひよこ君の承諾を得て行われたものであれば、
   その転質設定により発生した損害の責任は、原則どおり過失責任となるけど、
   もし、ひよこ君の承諾を得ないで、貸主が転質設定契約をした場合には、
   それにより発生する損害はそれが不可抗力によるものであっても
   全損害の責任を貸主が負う事になるんだよ。

   つまり、この承諾を得ずにした転質設定契約時に生じた損害賠償責任が、
   過失責任の原則の例外にあたるものと言えるんだよ。


 ※転質契約を図にすると以下の様になります。
転質契約


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