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物権の意義・種類
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 ここからは物権について勉強していこう♪
   
   まず始めに「物権の意義」を説明するね。
   「物権」とは「物」を直接的に支配することができる排他的な「権」利と説明できるよ。
     
   この「物権」の種類は民法では10種類、その他商法、特別法(財団抵当権、漁業権、鉱業権、採石権など)
   で認められていて、民法その他法律で認められた種類・内容以外の物権は、当事者間で
   勝手に作り出してはいけないんだ。

   この事を「物権法定主義」というよ。










 「物権法定主義」の意義の中で出てきた「その他法律」には、
   内閣が制定する命令・各省の大臣が制定する命令、
   都道府県が制定する条例は含まれないから注意してね。
   
   
   また、「その他法律」に慣習法が含まれるかについて、判例はこれを認めていないが
   温泉権、墓地使用権、流水利用権には物権的効力を認めているよ。

 

 それでは話を戻して、「物権の意義(物を直接的に支配することができる排他的な権利)」に
   ついて詳しく見ていこう。ひよこ君は自分で買った自転車を持ってるかな?
   
 うん、お年玉で自分の自転車買ったよ、補助輪付きだけどね。

 ひよこ君が自分で買ったという事は、自由にひよこ君が自転車を好きな時に乗れて、
   もし不要になればその自転車を売ることもでき、売らずに他の人に貸したりすることができるよね。

 うん、そうだね

 ひよこ君が自転車を利用、収益(誰かに貸してお金を貰う)、処分(売る、廃棄する等)することが
   出来る権利を法律用語で「所有権」というんだよ。

   所有権は「使用・収益・処分」と、全面的に物を支配することができることから「全面的支配権」ともいわれるよ。
   
 ふむふむ、前にも勉強した記憶が。

 ひよこ君が自転車に乗る時、他の人に断ってから自転車を使わないよね。
   これはひよこ君がその自転車に対して支配権を有しているからなんだよ。



 また、ひよこ君だけが自転車に所有権を有している時、
   隣の家のミドリちゃんが所有権をもつ事はできないんだ。

   それは1台の自転車の上に1つの物権(この場合は所有権)が存在する場合、
   その物権と両立する事ができない物権の存在を排他するからなんだ。

    これを「物権の排他性」というよ。




 次に債権と物権を比べてみよう

 まず、債権というのは「人」に「責」任を負わせる「権」利とここでは簡単に覚えておいてね。

 ひよこ君のお父さんは家を買ったことがあるかな?

 うん、芦屋の一軒家。



 ・・・・。

   通常、家を購入する時は不動産屋さんと売買契約を交わしていると思うけど、
   この時の契約でお父さんは、不動産屋に対して家を引き渡すよう請求する権利、
   つまり債権を取得したんだよ。
   
   でもね、この時不動産屋さんは、ひよこ君のお父さんと売買契約を交わした家を、
   第三者Aさんに売り渡す契約を2重にする事が可能だったんだよ。
   



 不動産屋さんはお父さんと、Aさんに家を引き渡さないといけない状況になるよね。
   どうするの?
  
  
 この場合、どちらかが「登記」をすることによって、所有権の取得の先後を決めることになるんだよ。
   売買契約(債権契約)は2重にも3重にも成立するけど、物権である所有権は一つしか成立しないから
   このような方法がとられているんだ。
  
   債権と物権のちょっとした違いだね。
  
   ただ、債権自体にも排他性を備えることができるよ。
   賃借権という債権は「登記」をする事によって排他性を備えることができ、
   建物の賃貸借に関しては「賃借権登記」がなくても建物の引渡しがあれば
   第三者に建物の賃借権を主張することができるんだ。
  
 また下記のような民法の特則が設けられているよ。

   
  ★農地又は採草放牧地の賃貸借は、その登記がなくても、農地又は採草放牧地の
  引渡があつたときは、これをもつてその後その農地又は採草放牧地について
  物権を取得した第三者に対抗することができる。(農地法16条)    
   
  ★借地人は、その土地上に自己名義の登記済建物を所有していれば、
  第三者に対して借地権を対抗することができる(10条1項)


 なぜ、賃借権についてこのような規定が設けられているのかというと
   下記のような事態が生じる恐れがあるからなんだ。
   
   
   
   1:ひよこ君がタヌキさんの土地に家を建てました。
   
   
   
   
   
   2:タヌキさんが土地をカエルさんに売り渡しました。



   
   3:カエルさんは登記を備えていない賃借権には対抗力がないと主張し
    建物の取り壊し&土地の明け渡しを請求しました。




   4:賃借権には排他性がなく、賃借権は債権であるため
    登記を地主に請求できないため、建物を取り壊し土地を引き渡した。
     

 この様な事態を防ぐ為、一定の場合に賃借権に対抗力を認めたんだ。

 ふむふむ

  →物権の優先的効力

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